プロ野球で毎年6月〜7月ごろに聞かれるようになるのが「自力優勝消滅」
この自力優勝消滅ですが、具体的にどんな条件なのか気になる方がいるのではないでしょうか?
そこで、この記事ではプロ野球自力優勝消滅の歴史を総まとめ。
- 自力優勝消滅の条件
- 過去の自力優勝消滅最短ランキング
- 自力優勝消滅からの優勝はあるのか?
こういったポイントを詳しくまとめました。
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自力優勝消滅の条件は一体何?
2022年の阪神の例で紹介します。
まず、自力優勝消滅の条件は下記です。
- 阪神が残りの試合を全勝する
- 首位のチームが阪神戦以外を全勝する
- ①②を両方満たしても、優勝できない場合は自力優勝消滅となる
全勝することが条件なので、ほぼ不可能な条件ではあるんですが、上記の条件を満たした時に自力優勝は消滅します。
記事執筆時の巨人と阪神の現状(2022年4月19日)
巨人 | 14勝7敗(阪神戦6試合終了) |
阪神 | 3勝17敗1分(巨人戦6試合終了) |
※ 2022年4月19日地点
巨人対阪神戦は残り19試合あり、その直接対決を阪神が全勝、その他の試合は巨人・阪神ともに全勝した時の勝敗が下記です。
巨人 | 117勝26敗 |
阪神 | 125勝17敗1分 |
この場合は阪神が巨人を上回っているので、4月19日時点では自力V消滅とはなりません。
阪神の自力V消滅はどうなったらなる?
巨人117勝と阪神125勝で8勝差なので、巨人が9連勝・阪神が9連敗した時点で自力優勝は消滅します。
また、巨人と阪神の直接対決の結果が自力優勝消滅を大きく左右します。
自力優勝は下位チームが対象となるチームに全勝するのが条件ですから、直接対決での勝敗は自力V消滅に直結するわけですね。
仮に下記の表の状況で巨人vs阪神の3連戦があり、巨人が3連勝した場合をまとめました。
巨人 | 14勝7敗(阪神戦6試合終了) |
阪神 | 3勝17敗1分(巨人戦6試合終了) |
巨人が3連勝した場合の表↓↓
巨人 | 17勝7敗(阪神戦9試合終了) |
阪神 | 3勝20敗1分(巨人戦9試合終了) |
巨人対阪神戦は残り16試合になり、直接対決を阪神が全勝、その他の試合は巨人・阪神ともに全勝した時の勝敗が下記です。
巨人 | 120勝23敗 |
阪神 | 122勝20敗1分 |
直接対決で阪神が巨人に負けてしまうと、自力Vがだいぶ近づいてしまうのがわかります。
自力優勝消滅は直接対決での勝敗に大きな影響を受けてしまうんです。
自力優勝消滅の最速記録ランキング
年度 | 自力優勝消滅チーム | 試合数 | |
1 | 2005年4月30日 | 楽天 | 29 |
2 | 2018年5月6日 | 楽天 | 31 |
3 | 1954年5月16日 | 洋松 | 32 |
4 | 2017年5月16日 | ロッテ | 37 |
5 | 2021年5月14日 | DeNA | 42 |
6 | 1976年5月30日 | 大洋 | 42 |
7 | 1989年6月8日 | 大洋 | 42 |
8 | 2008年5月25日 | 横浜 | 46 |
9 | 2009年6月3日 | 横浜 | 49 |
10 | 2016年6月2日 | オリックス | 50 |
自力優勝消滅の最短記録2005年の楽天です。
29試合目に自力優勝が消滅していて、4月中の自力優勝消滅は過去にこの1度だけ。
4月中に自力優勝が消滅するのはいろんな条件が重なり合わないといけないので、かなり難しい条件となります。
- 直接対決の試合数を消化している
- 特定のチームが首位を快走している
- 負けまくるチームがある
こういった条件を満たせば、4月中に自力優勝消滅する可能性もありますが、過去のランキングを見ると5月に自力優勝が消滅している球団がトップ10に名を連ねています。
今後このランキングは更新されるのかが待たれますね。
自力優勝は復活する?意外と簡単に復活します!
自力優勝は簡単に復活します。
首位のチームが敗れて、自力V消滅となった球団が勝てば、自力Vは復活するので、それほど難しいことではありません。
ただ、直接対決でいくら勝っても、自力優勝は復活しません。
その理由は自力優勝の計算が「下位チームが対象となっているチームに全勝することが前提になっているから」です。
先ほどの巨人と阪神の例の場合、阪神が巨人に全勝するのが前提なので、阪神が巨人との直接対決に勝っても、自力優勝復活とはなりません。
- 巨人:阪神以外の他球団に敗戦
- 阪神:巨人以外の他球団に勝利
- 巨人:試合中止
- 阪神:勝利
- 巨人:敗戦
- 阪神:中止
このような状況を満たした場合に、自力優勝は復活します。
自力優勝消滅から優勝した球団はある?
シーズン終盤は接戦の状況でも自力優勝が消滅するため、自力優勝が消滅してからの優勝は意外と多くあります。
例えば、残り5試合で直接対決がない場合、1ゲーム差でも自力優勝は消滅しているので、そこからの逆転は決して不可能なわけではありません。
シーズン終盤での自力優勝消滅からの優勝は比較的起こり得ると言えますが、前半戦で自力優勝が消滅した球団が優勝した事例はあるのでしょうか?
2008年巨人は前半戦自力優勝消滅から優勝
2008年7月8日の阪神戦に敗れて、巨人の自力優勝が消滅しました。
この時のゲーム差は13ゲーム差でしたが、そこから巨人が大逆転優勝を果たし、メークレジェンドと呼ばれるように。
基本的に前半戦で自力優勝が消滅した球団が優勝するケースはないため、かなりのレアケースとなりました。
まとめ:自力優勝消滅の条件は複雑!消滅から逆転優勝の球団もある!
自力優勝消滅の条件が複雑です。
- 自力優勝消滅の対象となる球団が残り試合を全勝するのが前提
- 首位のチームが直接対決以外を全勝する前提
- ①②を両方満たしても、優勝できない場合は自力優勝消滅となる
という条件で、最下位の球団だと6月〜7月、Aクラス争いをしている球団だと8月〜9月に消滅するケースが多いです。
圧倒的に負けが多い場合は5月に自力優勝消滅するケースが多く、2005年の楽天は4月に自力優勝が消滅しました。
今後は自力優勝消滅から優勝するチームが出てくるのでしょうか?
前半戦で自力優勝が消滅した球団で優勝したケースはほぼありません。