配球とは打者とキャッチャーとの駆け引き。
正解があるのかないのかわからないような複雑な世界です。
しかし、考え方が確立されているものもあります。
今回は「外に大きく外すストレート」
「なんで、外にあんなボール球を投げるのか?」
そこに迫っていきます!!!
・外に大きく外すストレートとは?
外に大きく外すストレート。
よく見かけます。
追い込んだ後、一球外に・・・なんてことはよくあります
投げる場所は下の図の①のあたり(右打者の場合)
最初からキャッチャーがボールゾーンに構えていて、ピッチャーはそこに投げ込みます。
「一体何の意味があるんだ?」
と考えがちですが、様々な意味があります。
・ピッチャーがバッターの反応を見やすい
ピッチャーが打者の反応を見やすい。
これが1つ目の意図。
インコースにボールを投げると、コントロールミスが許されないため、余裕が生まれません。
その結果、打者の動きを観察しきれないことがあります。
しかし、アウトコースに投げると、そこまで細かなコントロールが要求されないので、余裕が生まれ、打者の反応を見ることができるのです。
その反応をもとに、次のボール選択しすることができます。
ピッチャーが打者の動作をどうしても確認したいと時、アウトコースのボール球が選択される場合があります
・見せ球としての外し球
アウトコースに大きく外すボールの後に考えられるボールは主に2つ。
数少ない例外もありますが、まずはそのうちの1つから。
下の図をご覧ください。
この図は①に見せ球を投げた後、②の位置のボールを要求するパターンです。
①で、外を意識させ、次は内に強いボールを投げ込んでいきます。
内と外の幅を上手く使う配球です。
この場合、①に投げたから、②に投げると言う考えではなく、②のボールを使いたいが、いきなり投げるのは怖いので、①にまず見せ球を見せてから、②に行くという考え方です。
①のボールに対しての打者の反応を見ながら、ボールを選択していきます。
続いては違うパターン
この場合、②は変化球になります。
スライダーがあるピッチャーだと特に有効です。
配球には「同じ球を2球続ける時の2球目は甘くなってはいけない」
という考え方があります。
同じ球の2球目が甘くなると、1球目で打者の目が慣れていて、ボールを甘く感じるので、打たれやすくなります。
それ故の「同じ球を2球続ける時の2球目は甘くなってはいけない」
です。
上の図はその考えを逆に利用します。
①よりあえて、甘い位置からボールを曲げる。
すると、打者は「甘い」と判断するので、スイングしやすくなり、結果変化球に空振り。
バッテリーはこれを狙っています。
この2つが外の外し球の後に投げるパターンの基本筋で、95%はこの2つのどちらかになってきます。
しかし、例外もあります。
・外の見せ球の後に外の真っすぐという例外
2016年の交流戦明け。
巨人のキャッチャー小林が怪我で離脱した時期がありました。
その時、キャッチャーをしていた實松が魅せてくれたリードです
①の見せ球の後に、②の位置に真っすぐを投げ、見逃し三振を狙うパターンです。
実際に見逃し三振を奪っていましたが、これはあまり見られない相手の裏をかくリードです。
先ほど「同じ球を2球続ける場合、2球目は甘くなってはいけない」
と述べましたが、この例は明らかに2球目が甘いボールです。
が、打者によっては「ストレートの見せ球の後は変化球だろう」
と考えるので、その考えの逆を突いています。
巧みな配球です。
このパターンは滅多に見られません。
外の真っすぐの後に外真っすぐは、やはり怖いからです。
・アウトコースの見せ球まとめ
まだまだ配球は奥深く・・・
今回の記事は配球に対する入口に過ぎません。
凄さはまだまだあります。
今回の記事を取っ掛かりにして頂ければ、ありがたいです。